確定拠出年金制度は社内全体に影響を与える制度であるため、導入にあたっては慎重にプランを検討する必要があります。従業員に安心して働き続けてもらう制度設計を行うには、早い段階での認識の擦り合わせや加入者の利益を優先したプランの提示、導入後のアフターフォローなどが重要です。

今回は、確定拠出年金を導入する手順を7つのステップに分け、必要な手続きや注意点をご紹介します。また、導入をスムーズに進めるための注意点や、継続的な投資教育を行う際のポイントも詳しく見ていきましょう。

確定拠出年金を導入するための7つのステップ

自社に確定拠出年金制度を導入するには、制度設計や運営管理機関の選定、社内への

説明など多くのプロセスを経る必要があります。それなりの準備期間がかかるため、どのような手続きが必要なのかを全体像で把握し、丁寧にプランニングを行うことが大切です。

ここでは、確定拠出年金を導入するまでの手順を次の7つのステップに分けて見ていきましょう。

ステップ1:基本となる制度設計を検討する
ステップ2:運営管理機関や資産管理機関を選定する
ステップ3:社内説明会を実施し、合意形成を図る
ステップ4:運用する金融商品を決定する
ステップ5:必要書類を準備し、厚生局に申請する
ステップ6:制度への加入者を登録する
ステップ7:加入時教育・加入後教育を実施する

ステップ1:基本となる制度設計を検討する

まずは確定拠出年金制度を導入するにあたり、基本的な制度設計を行う必要があります。企業型確定拠出年金の導入方式には、「単独型」と「総合型」の2種類があります。

単独型は企業単体で規約を立ち上げて独自に運営する方式であり、どちらかと言えば一部の大企業に適したスタイルです。総合型は規約を立ち上げている運営管理機関(金融機関など)の規約に相乗りし、既存のパッケージを利用する方式であり、中小・中堅企業に適したスタイルと言えます。

今回は、総合型を導入するケースを想定し、基本的な手順を見ていきましょう。また、加入形態は大きく分けて「全員加入」「選択制」の2種類があります。

全員加入は文字通り、対象者全員の加入を前提とするタイプです。選択制は、一定金額を掛金として拠出するか、給与に上乗せして受け取るかを従業員自身が選べるタイプです。

また、拠出方法も全額を企業が負担するケースと、企業と従業員が負担する「マッチング拠出」の2通りがあります。これらの仕組みを把握したうえで、自社に適したシステムへ組み合わせながら基本的な制度設計を行いましょう。

その後、加入対象者に役員を含めるのか、60歳以降の継続雇用者はどのように扱うかを検討し、加入者の範囲を明確にします。なお、すでに何らかの退職金制度を導入している場合は、既存の仕組みとの調整も検討する必要があります。

ステップ2:運営管理機関や資産管理機関を選定する

総合型では、サービスを取り扱っている運営管理機関から、自社に合ったものを選ぶこととなります。運営管理機関は加入者の各種手続きの窓口となる重要な存在であり、大手の金融機関が担うことが多いです。

厚生労働省のホームページでは、運営管理機関登録業者一覧がまとめて紹介されているので、実績や提供されているサービス内容を比較してみるとよいでしょう。

(出典:厚生労働省『運営管理機関登録業者一覧 2025年6月2日現在219社』

また、資産管理機関は、実際に加入者の資産保全の業務を行う機関です。運用管理機関が取りまとめた運用指示に基づき、実際に運用商品の売買を行ったり、年金の支払いを行ったりする機関であり、基本的には信託銀行が務めます。

ステップ3:社内説明会を実施し、合意形成を図る

確定拠出年金の導入には、労働組合または労働者の代表の同意が必要です。導入そのものだけでなく、制度設計の協議にも参画してもらう必要があるため、事前に決めた仕組みやルールに問題ないかをチェックしてもらいましょう。

導入を決定したら、制度の内容について社内に周知し、従業員の理解を得る必要があります。確定拠出年金は従業員に運用してもらう制度であるため、スタートの段階で丁寧に仕組みを把握してもらわなければなりません。

ステップ4:運用する金融商品を決定する

運用商品は運営管理機関が選定しますが、事業者はその商品のなかから、必ず3以上(簡易企業型年金では2以上)、35以下の商品ラインナップを選択肢として提示しなければなりません。運用成果を直接的に左右する可能性もあるため、加入者の投資経験や年齢などを考慮し、年金資産の形成に適した商品を選ぶことが重要です。

ステップ5:必要書類を準備し、厚生局に申請する

続いて、運営管理機関の案内に沿って、必要書類の準備を進めます。主な手続きとしては、確定拠出年金の企業型年金規約を作成のうえ、就業規則や厚生年金適用事業所としての確認書類を準備し、地方厚生局長に申請するのが基本的な流れです。

運営管理機関によってはほとんどの送付書類を作成してもらえるケースもあるので、事前に必要な手続きをチェックしておくと良いでしょう。

ステップ6:制度への加入者を登録する

続いて、制度に加入する従業員のリストを作成し、加入者の登録を行います。制度を開始する前の月の中旬までには済ませておく必要があるので、スケジュールには十分に注意しましょう。

ステップ7:加入時教育・加入後教育を実施する

確定拠出年金を導入する事業主には、加入者に対して投資教育を行う努力義務が生じます。従業員が適切な資産運用ができるように教育の機会を用意し、定期的に実施していなければなりません。

なお、自社で教育の提供が難しい場合は、外部のサービスに委託をすることも可能です。

確定拠出年金をスムーズに導入するためのポイント

確定拠出年金を導入するうえでは、どのような点に気をつければよいのでしょうか。ここではスムーズな導入を実現するためのポイントを解説します。

従業員との認識の擦り合わせは早いほうがよい

従業員との認識の齟齬やトラブルを防ぐためには、できるだけ早い段階で制度の周知を図ることが大切です。確定拠出年金の導入手続きは、既存の業務と並行して進めなければならないため、想像以上に時間がかかるケースもめずらしくありません。

従業員側に対して、導入を判断するための十分な期間を用意しなければ、労使合意の形成がなかなか進まない可能性もあるでしょう。そのため、制度の大まかな内容が決まった段階で従業員に説明を行い、認識を共有しておくことが重要です。

加入者の利益を優先して制度設計を行う

確定拠出年金の導入は、あくまで加入者の利益を第一に考える必要があります。導入方法や拠出方法にはさまざまな選択肢があり、場合によってはマッチング拠出のように従業員が一部を負担するケースもあるため、最終的に本人の利益につながるのかを十分に精査しなければなりません。

特に運営管理機関や運用商品の選定にあたっては、従業員の視点に立って細かく検討することが大切です。資本関係の有無などにはあまりとらわれず、フラットな目線で適切な選択肢を見極めましょう。

制度の導入後もきちんとアフターフォローに取り組む

確定拠出年金は、加入者の運用成果によって最終的な給付額が変動するのが大きな特徴です。加入者が自分で資産運用を行えるように、企業側は継続的な投資教育の実施やサポートを行っていかなければなりません。

ただし、一口に投資教育といっても、加入者の投資経験や年齢などによって求められるアプローチは変わります。加入者の個別の悩みに寄り添えるよう、できるだけ柔軟なプログラムを組むのが理想です。

就業規則への記載における注意点

確定拠出年金は従業員の退職金制度の1つであるため、就業規則への記載が必要となります。ただし、就業規則自体が複雑なものになってしまわないように、具体的な内容は確定拠出年金の細則として定めるのがおすすめです。

具体例としては、次のようなポイントを規定する必要があります。

・対象者の範囲
・拠出金の金額あるいは割合(基本給の〇%など)、上限
・マッチング拠出の有無
・加入者が行えること(運用商品の選択、掛金の配分の変更、資産のスイッチングなど)
・受給開始年齢、条件
・年金の受給方法、一時金の選択
・死亡した場合の対応
・離職・転職時の対応(資産の持ち運びに関する規定)
・制度の変更および廃止
・その他

確定拠出年金診断協会に相談してみよう

投資教育を自社で実施する場合、次のような課題にぶつかってしまうことが多いといえます。

・担当者の負担が大きい
・勉強会を実施してもなかなか興味を持ってもらえない
・教育の効果が表れにくい
・専門的な相談内容に対応しきれない

また、投資教育そのものは運営管理機関に依頼することもできますが、今度は「個別の投資商品について具体的なアドバイスができない」「個別相談が受けられない」といった法的な制約を受けてしまいます。そこでおすすめしたいのが、「一般社団法人確定拠出年金診断協会」の投資教育サービスです。

確定拠出年金診断協会とは、豊富な実績と専門家によるネットワークを活かし、確定拠出年金に関する多様な課題の解消と加入者サポートを取り扱う団体です。ここでは、4つの側面から当協会の特徴をご紹介します。

加入者1人ひとりに個別相談が可能

確定拠出年金診断協会は運営管理機関のように法的な制約を受けないため、「どういう商品をどのような視点で選べばよいか」など、より具体的なアドバイスが行えるのが特徴です。また、相談対応は対面形式で行われるため、1人ひとりに合わせたきめ細やかなフォローを実現できるのも利点です。

実際に当協会での個別相談後に、資産運用で数百万円のプラスが出るケースもあるなど、確かな教育効果が期待できます。

また、当協会で個別で相談を受けた大手企業勤務の50代の従業員は、運用方針をブラッシュアップしたことで、1,000万円ほど資産を増やすことに成功したという事例もあります。

特に50代以降の層では、運用金額も大きくなるため、資産見直しによる金額の変化が大きく、教育効果が目に見えて表れるケースも多くあります。

投資経験や年齢に合わせたアプローチ

投資教育の効果を高めるためには、一律に同じプログラムを適用するのではなく、個人のレベルや悩みに応じたアプローチを行うことが大切です。必要なサポートは個人の投資経験や年齢によって異なるため、まずは的確に現状を把握しなければなりません。

当協会では、一般的な勉強会では網羅できないような内容も、個別に対応できる体制が構築されています。過去の様々なケースでの実績をもとに、柔軟にサポートが行えるため、高い教育効果が期待できるのも魅力です。

関心を引きつける勉強会の実施

継続的な投資教育を行うには、単に学びの場を用意するだけでなく、参加してもらうための仕掛けが必要です。当協会では、「保険で損しない知識」「賃貸or持ち家」「住宅ローンの賢い借り方返し方」「新NISA完全攻略」といったリアルタイムかつ独自性のあるテーマで勉強会を実施し、多数の参加者を集めてきた実績があります。

オンラインでの開催であれば、告知文や案内リーフなどを用意していただく必要もないため、担当者の方の事務的な負担軽減、コスト削減にもつながるでしょう。

豊富な実績と専門家の全国的なネットワーク

確定拠出年金診断協会は、「確定拠出年金診断士®︎」という専門家の育成にも力を入れています。2025年5月1日現在で全国に852名の登録者がおり、各地に専門知識とスキルを備えた専門家ネットワークを持つことで、きめ細やかな個別相談にも十分に対応できる体制を整えています。

また、金融機関向けの研修も積極的に行っており、主催するDC研修会には2025年5月1日時点までで151拠点、総勢3,667名の方が参加しています。多くの企業にサービスを提供してきた実績と、培われた確かな教育ノウハウは、当協会ならではの強みです。

確定拠出年金の導入でお悩みなら

確定拠出年金を導入するうえでは、必要なステップをきちんと把握し、丁寧にスケジューリングしていく必要があります。確定拠出年金を導入すれば、従業員への継続的な教育の努力義務が生じるため、教育体制もしっかりと整えなければなりません。

「一般社団法人確定拠出年金診断協会」では、豊富な実績と専門家ネットワークをもとに、運営管理機関だけでは実施が難しい個別相談や実践的なアドバイスを行っています。

当協会の投資教育や個別相談は、運用管理機関を切り替える必要はなく、現状に補完してご利用いただくことができます。いわば、投資教育のみを追加で外注するような仕組みですので、人事総務担当者の負担も少なく、より効果の高い投資教育が実現可能です。

いまなら、5社限定で、無料導入キャンペーンを実施中です。導入計画を立てる際には、ぜひ教育制度の拡充に当協会をご活用ください。

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